11月23日(水・祝)、NTTサービスエボリューション研究所主催の「R-env:プロトタイプ開発ワークショップ」が、渋谷のFabCafeで開催されました。
今回のワークショップは、「R-env:連舞」に精通したサポートメンバーと共に、実際に「ビジネスに繋がるプロトタイプを作る」というのが目的。全5チームが前週に行われた打ち合わせで固めた企画内容を、1日かけてプロトタイプにしていきます。
「R-env:連舞」は、ロボットやIoTデバイス、センサーなどを簡単に接続することができるWEBサービス。NTTサービスエボリューション研究所が開発を行い、現在一般公開に向けて準備を進めています。
今回のワークショップでは、以下のデバイスが主催者側で準備されました。
Sota、RoBoHoN、COCOROBO、RULO、Roomba
▽ IoTデバイス
Hue、iリモコン、ボタンスイッチ
▽ センサー
人感(距離)センサー、加速度、モーション、照度センサー
▽ その他デバイス
タブレット、ディスプレイ
これらのデバイスはすべて「R-env:連舞」上で接続することができます。例えば、近接センサーに反応があれば「Sota」が喋りだすという処理が、エンジニアでなくても簡単に作ることができます。
当日の模様
まずはNTTサービスエボリューション研究所の望月さんより、今回のワークショップの概要や目的の説明。一般の方でもロボットとIoTデバイスを簡単に操ることができるのが「R-env:連舞」の特徴ではありますが、今回のワークショップでは法人が利用するケースに絞って進められていきます。
続いて、各チームの代表者から、チーム紹介と今回作る予定のプロトタイプのアイディアの紹介。
エンジニアが多く参加するハッカソンなどと違い、デザイナーや営業担当者、企画職など、幅広い職種の方が参加しているのも今回の特徴。「お客様にこのようなパッケージで提供したい」というアイディアが次々に発表されていきます。
ここで話した内容がどのように開発されていくのか非常に楽しみです。
そのまま7時間のハッキングタイムに突入。各チームの専任サポートスタッフと共に、プロトタイプを作り上げていきます。
発表タイム
そして、いよいよ開発したプロトタイプの発表に移ります。
最初のチームは市役所や区役所にロボットやIoTデバイスが導入されるケースを想定してプロトタイプが作られました。
受付でSotaが市役所に来た目的を訪ね、QRコードを発行します。発行された紙を持って、2階のSotaに見せると、横のタブレットに目的の係までの地図が表示されます。
そして、なんと目的地まではロボット掃除機の「COCOROBO」が案内をしてくれます。COCOROBOの動きが少し遅いですが、人間と同じくらい速く動けるようになれば、立派な誘導役になりますね。実際に使用するシーンでは、人が踏まないようにする工夫も必要かもしれません。こんな市役所があれば行ってみたいものです。
次のチームが開発したのは会社の受付システム。
まず近接センサーで人が近づいてきたことを認識。すると、Sotaが受付を開始します。来訪者がアポイントがあった場合、アポイントがないが社内に知り合いがいる場合、そもそもアポイントがない場合など、幾つかのパターンが用意されており、それに沿ったシナリオに進んでいきます。
アポイントがない場合には担当者の連絡先が表示され、ある場合には会議室へと案内します。案内役は、ロボット掃除機RULOに乗った「RoBoHoN」。目的の会議室では、Hueが光っています。ロボホンが案内役になるところが非常に可愛かったのと、様々なデバイスが連携しているので、見ていて楽しかったです。
その次のチームは「R-env:連舞」をAndroidと連携するという処理の実装をしつつ会社の受付システムを開発しました。実際にはAndroidとの連携は時間内に間に合いませんでしたが、受付システムはお客様を楽しませるという狙いで、雑談要素を盛り込んでいます。
雑談に進むと、SotaとRoBoHoN2体と同時にじゃんけんすることができます。RoBoHoN、Sotaともにグーしか出せないというオチなのですが、2体の掛け合いが可愛らしく、つい見ている側が笑顔になってしまいます。
SotaとRoBoHoN2体の登場シーンでは、それぞれのHueが照らし出しライトアップのようになっているなど、細かいこだわりを感じました。
一番ユニークなプロダクトを作ったのは「Sotaが人間のオーラを見る」というプロトタイプを作ったチーム。エンタメに特化したプロダクトです。
幾つかの選択肢を進んでいくと、Sotaがその人のオーラを当てることができるというもの。こちらのチームも「Hue」との連携を行っていましたが、前のチームの使い方とはまた違い、ライトの色を変化させることでオーラの色を示しているという点が面白かったです。
最後のチームは、会議のファシリテーションをロボットが行うというプロダクト。スラックや独自のタブレットアプリと連動することで、会議のファシリテーションを行うだけでなく、議事録の記録・送信ができるなど、会議における実用的な機能が盛り込まれていました。
ロボットの「空気が読めない」という点を前向きに使い、Sotaが会議を淡々と進行する役を担います。
Slackやアプリとの連携など、「R-env:連舞」単体ではできない部分を外部に持たせることで、より広範な役割をロボットが担えるようになっていた点が実用的な観点だと感じました。
以上で発表は終わりです。
最後にNTTサービスエボリューション研究所の山田さんのご挨拶と共にワークショップは終了しました。NTTサービスエボリューション研究所でも、「R-env:連舞」を活用したビジネス利用できそうなアイディアの具現化にも取り組まれているということで、今後ロボットを活用したサービスの裏側では実は「R-env:連舞」が動いているという場面にも出くわすかもしれません。