学生限定!居酒屋アイデアソンが開催されました
2月11日、くろきん神田本店で居酒屋アイデアソンが開催されました。
会場のくろきん神田本店はSotaと一緒に飲める「飲みニケーションロボット席」がある、いつでも会えるロボットのいる居酒屋。会場が居酒屋な上に参加者は学生限定という異色のアイデアソンです。
審査員紹介
今日の審査員はこちら。
飲みニケーションロボットのアプリ開発を行った、株式会社ヘッドウォータース 代表取締役篠田さん。
会場の居酒屋くろきんを運営する、株式会社ゲイト 代表取締役五月女さん。
コンサルティング事業を行う株式会社インフォランス 代表取締役佐々木さん。
飲みニケーションロボットプロジェクト担当、株式会社ヘッドウォータース塩澤さん。
くろきんのSota担当、株式会社ゲイト尾方さん。
くろきんでSotaを導入したきっかけ
アイデアソンの前に、尾方さんから居酒屋くろきんにSotaを導入したきっかけについてお話をいただきました。
居酒屋の店長をしていたこともある尾方さん。居酒屋で1日にどれくらいの人が来店するかみなさんご存知ですか?大きい店舗だと300人くらい、小さい店舗でも100人くらい毎日いらっしゃいます。
これだけの大人数の方が来店するので、店長さんでもお客様の顔を一人一人覚えきれません。何回か通ってくれるお客様は店長さんの顔を覚えてくるので声をかけてくれるのですが、声をかけられた側の店長はその方のお名前を覚えきれません。
そこで、去年の3月にヘッドウォータースに相談をしてプロジェクトがはじまりました。導入されたのが去年の12月。
飲みニケーションロボット席は大好評で、予想以上の集客だそうです。今では曜日によって予約が埋まってしまう日もあるそうです。
アプリケーション開発の背景
ヘッドウォータース塩澤さんからアプリケーション開発の背景のお話です。
くろきんから「お客様のことを覚えきれないのでなんとかしたい」と相談を受けた際、まず考えたのがロボットの選定。
最初はPepperを利用しようと思っていましたが、サイズ面から居酒屋だと厳しいものがあります。常連さんの顔を覚えて対応を行う機能は必須なので、人型ロボットであることは譲れず、そこでSotaを利用することにしました。
実際の居酒屋に設置してみると、Sotaは中ジョッキを前においても隠れないサイズであったのも好都合でした。
自社製品のSynAppsを利用し、ロボットから取得した画像を顔認証してお客様の顔を覚え、その人に合わせた接客を行えるようにしました。
SynApps
もう一つ、スマホからセリフをロボットにしゃべらせるという機能も導入。スマホから「乾杯!」や「部長飲みすぎですね」など飲み会でよく使われる定型句をしゃべらせるという機能です。
塩澤さん曰く、これは居酒屋のターゲットであるサラリーマンのおじさんのための機能。というのも、だいたいのおじさんは日常で褒められることがないので、居酒屋に行ったときくらいはSotaに褒めてもらってほしいという思いが込められているそうです。
褒め言葉だけではなくダメ出しの定型句もあります。テーブルの下からスマホで操作すると、誰がしゃべらせたか分からないので飲み会が盛り上がるという効果もあります。
アイデアソンのお題発表
今日のお題は「居酒屋のあたらしい○○○をロボットで作る」です。
今日参加のみなさんは、くろきんという居酒屋に出向し、サービスの提案を任されたビジネスチームのアイデア部です。Sotaを利用してお客様が「このお店に来てよかった」と思えるサービスを考えることが今日の目標です。
アイデアタイム
実機のSotaを触りながらアイデアを考えます。アイデアタイムの間はウーロン茶と緑茶が飲み放題、お菓子も食べ放題。
発表タイム
発表の時間です。発表順は以下のとおりです。
2. そーたん
3. アベンジャー
4. パリピソー
5. 高菜
1.モンスターパーティー「チャリンチャリンSota」
課金ができるSotaというアイデア。
Sotaくんの後ろにお金を入れられるBoxを置き、100円を入れるとルーレットで戦国武将風Sotaやお姫様風Sotaなどのキャラクターを演じて色々と楽しませてくれるというものです。
お姫様Sotaではサラダのオススメ、戦国武将Sotaのわらび餅のオススメなどキャラクター毎でのメニューおすすめや、名前を名乗って顔認証をさせるとその人のあだ名を付けてくれるというアイデアも。
課金の効果は30分で切れるので、更に楽しみたい場合にはまた課金が必要です。
2. そーたん
ロボットを使って癒やして盛り上げることをテーマにしたアイデア。癒やしをするためにロボットをカスタマイズするアイデアを考えました。
顔や声やイイタイコトのカスタマイズはもちろん、癒しの足りないサラリーマンのために、触り心地の良いふわふわしたロボットにして、触覚でも楽しんでもらえるようにしたいと考えます。
ロボットが恋バナの相談や仕事の愚痴も聞いてくれるようにし、受け答えにはSNSなどのデータを活用したその人にマッチした解答をさせたいと考えます。お客様同士でコミュニケーションを行うために、各テーブルごとのロボットが相性の良さそうな人同士を紹介できる機能も想定しています。
業務支援面のことも考え、オーダーの後、食事の提供まで待たせないようにする工夫も考えました。席に座った人のデータを顔認識で解析し、性別や年令の属性を取得。今いるお客様の人数と属性データを元に食事の提供をスムーズにするというものです。
3. アベンジャー
お客様同士のコミュニケーションの促進をロボットで行うためのアイデアです。お互いのことを知り合うための機能を3つ考えました。
1つ目は「顔認証とジョッキ認証機能」。Sotaがジョッキのお酒の量をチェックして、残り少なくなったらSotaから「おかわりどうですか?」と言ってくれるというものです。
2つ目は「3Dメニュー機能」。Sotaから3Dでメニュー画像を投影して、メニューにある食べ物がどういうものかを分かりやすく紹介するというものです。
3つ目は「注文機能」です。オーダーする時にSota君が大きな声で定員さんの呼びかけをしてくれるというものです。お店は色々な声がある方が活気があると考えて、こうしました。
4. パリピソー
「パリピソー」は、パーティーピープルとSota君を組み合わせた造語。初対面の異性と仲良くなって盛り上がるためにロボットを活用するというアイデアです。
パリピソーSotaは、常に音声認識をして会話量を計測しています。会話量数値が低く会話が盛り上がっていないと判断した時に、Sotaから会話を盛り上げるような質問が投げかけられます。
この他にも過去に注文したメニューもクラウドで保存して、再訪した時に過去のメニュー履歴からメニューのオススメ機能も。更には、Sotaの手に拍手ができるようなパーツを付け、盛り上げるために拍手ができるようにもしたいと考えます。
5. 高菜
チーム名「高菜」の由来は、メンバーがコンビニの高菜おにぎり好きなのでこの名前に。アイデアは「ジョッキのSotaさん」です。
最近、居酒屋に一人で来る方が増えてきました。そんなおひとり様の話し相手になってくれるようなマスターのようなSotaです。
マスターと話しやすいように、お客様自身がマスターのキャラをスマホから選ぶことが出来ます。例えば、彼氏、彼女、先輩、後輩、パリピーなど。キャラが飽きたら他のキャラも選べます。
ロボットの形状は「コップのフチ子さん」のように、Sota君を小型にしてジョッキのフチに載ってもらえるようなイメージです。一緒に飲んでくれたら一人の寂しさも癒えるのではないでしょうか。
自分のSNSの履歴と連携させることで、自分に合った会話を提供してくれる機能も想定しています。これにより、常に自分に合った会話を提供してくれる唯一無二なSota君になってくれると思います。
発表は以上です。
今回は投票制で大賞を決めます。参加者は一票、審査員は二票をいいと思った作品に投票します。各賞は各審査員が決定します。
結果発表
ヘッドウォータース賞
5. 高菜
賞品は、ヘッドウォータース開発ルームご招待&ランチご招待です。
ゲイト賞
3.アベンジャー
賞品は、Sota席で飲める権利です。飲食代はもちろん無料。
インフォランス賞
2. そーたん
賞品は、佐々木さんとランチを行う権です。
大賞
5.高菜
賞品は、Sota席 Ver.2の企画会議への参加権です。学生さんが企画会議で出したアイデアが、次のくろきん飲みニケーションロボット席に採用されるかもしれません!
参加した学生の皆様、審査員の皆様、スタッフの皆様、お疲れ様でした!
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北構 武憲本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。