本日2月8日より開催中の「Pepper World 2017」にて、同イベント2日目(2月9日)に開催されるアプリコンテスト「Pepper App Challenge 2017」の決勝進出作品10作品が展示されています。
その10作品を全て紹介していく「PAC2017 決勝進出アプリ紹介」のvol.4である今回は、「ロボティクスマーケティング」と「健康王国 for Pepper」をご紹介していきます。
【PAC2017 決勝進出アプリ紹介 vol.1】「図書館Pepper」&「バーテンダー for Pepper」
ロボティクスマーケティング
ロボティクスマーケティングは、トランスコスモスのロボティクスチームによって開発されたアプリ。PepperがWEBとリアルをつなぐという主旨で開発されました。
導入が想定されているのは、大きな商業施設のような場所や大きめの店舗。受付アプリのような案内機能が設けられている他、FAQ上に回答がない場合やお客側が有人対応を希望した場合には、トランスコスモスのコールセンターのオペレーターにも接続することができます。その問い合わせ内容をFAQに追加していくことで、Pepperが対応できる範囲が徐々に拡大していくので、使えば使うほど進化していくと言えるでしょう。対応言語は、日本語以外にも英語・中国語に対応しているため、インバウンド観光客が多い施設に向いているアプリでもあります。
他の受付アプリと違うのは、クーポンの発行機能。お客さんの顔を見て、男性・女性を判別し、適切なクーポンを提示します。
また、ECサイトの会員情報といった他チャネルと情報を紐づけることで、そのお客が好きそうな商品をPepperがレコメンドしたり、あるいはそれに関連したクーポンを提示することができるようになります。
会員情報との紐付け方にはいくつか方法がありますが、そのうちの一つがメルマガでQRコードを配るというものです。メルマガに会員それぞれのQRコードを添付して配信しておくことで、来店した際にそれをPepperに見せるだけで会員情報と紐づけることができます。
ECサイトのレコメンドエンジンは、近年機械学習させているケースが多く、下手をすると人間よりも適切な商品をその場で提案することができるかもしれません。これまではそのレコメンドエンジンの使用はECサイト上でしか難しいことでしたが、Pepperが介在することで、ECサイトと同じようなレコメンドが行えるようになることでしょう。
ロボットとマーケティングの相性は非常に良さそうですよね。
健康王国 for Pepper
「健康王国 for Pepper」は、JOYSOUNDなどを展開するエクシングが開発した介護施設向けのアプリです。
これまでは介護施設でPepperがレクリエーションを行う「健康王国レク for Pepper」がメインで展示されていましたが、今回の展示では、新しく追加された会話機能「健康王国トーク for Pepper」が併せて紹介されていました。
今回のPepper App Challengeの決勝に残っているアプリの多くは、その業界や場面に応じた会話データベースを蓄積しているものが多いですが、この「健康王国トーク for Pepper」の特徴は高齢者向けの会話データベースを整えていること。さらに、高齢者にも聞き取りやすいスピードで発話するように調整されており、場所だけでなく、利用するユーザーに合わせて会話機能が設計されていることがわかります。
健康王国レクを含め、すでに介護施設にも導入されているという「健康王国 for Pepper」。介護領域ではPepperのようなコミュニケーションロボットが会話やレクリエーションを行うことが、健康を保ったり、心の活性化、元気づけにも繋がると期待されています。
また、介護施設の従業員も認知症患者の方との繰り返しの会話がストレスに繋がるとも言われていますが、ロボットはその点何度でも同じ会話に付き合うことができ、それがストレスにならないことから、従業員の負担軽減にも繋がっていくと考えられています。
介護分野は、「健康王国 for Pepper」のように、レクや会話、そして追加予定のカラオケなど、あらゆる角度から模索をしていくことで、大きな価値を生み出しそうです。
ということで、「Pepper App Challenge 2017」の決勝進出アプリをここまで8つご紹介してきました。次が最後のご紹介記事になります。
次回もお楽しみに!
※ちなみに紹介順は取材順です。