【PAC2017 決勝進出アプリ紹介 vol.5】「ウェイティングボードアプリ」&「ロボカタミ」
本日2月8日より開催中の「Pepper World 2017」にて、同イベント2日目(2月9日)に開催されるアプリコンテスト「Pepper App Challenge 2017」の決勝進出作品10作品が展示されています。
その10作品を全て紹介していく「PAC2017 決勝進出アプリ紹介」のラストです。最後の2作品は、「ウェイティングボードアプリ」と「ロボカタミ」です。
【PAC2017 決勝進出アプリ紹介 vol.1】「図書館Pepper」&「バーテンダー for Pepper」
【PAC2017 決勝進出アプリ紹介 vol.2】「Pepperの実践プログラミング教室」&「スマートロボ受付」
ウェイティングボードアプリ
ウェイティングボードアプリは、メイテツコムが開発した、店舗での待ち時間を快適に過ごすためのアプリです。
店舗では、待ち時間があることでお客さんが帰ってしまうこともありますし、お客さんの満足度が下がってしまうこともあるでしょう。
ウェイティングボードアプリには3つの機能が現時点で備わっています。一つ目がウェイティングボード機能。Pepperが来店したお客さんに整理券を発行していくことで、スムーズで適切な順番予約をしていくことができます。Pepperが対応してくれることで、タブレットで対応するよりも人間味がある対応ができ、スタッフを受付に配置する必要がなくなります。
また、スタッフ側のタブレットからお客を指定すると、Pepperが受付で呼び出しを行なってくれます。
2つ目の機能はプレゼンテーション機能です。待ち時間の間、お客さんはただ時間を消費してしまいます。そんな時にPepperがオススメのメニューを楽しく紹介することで、待ち時間を有効活用することができます。ただサイネージに流すだけでなく、メニューを渡すだけでなく、Pepperが画像や動画、セリフや動き、効果音などで紹介していくことで、よりオススメのメニューが魅力的に映るはずです。
そして3つ目がPepperとの会話を楽しむことができる機能です。この会話機能にはIBM Watsonが用いられており、独自に作成したコーパスを元にPepperが会話を行うことができます。
このように「待ち時間を快適にする」というコンセプトは「Pepper Innovation Challenge 2015」の「Airウェイト」も一緒でした。今回のウェイティングボードアプリでは、同じような機能を持っていますが、待ち時間に流すプレゼンテーションのコンテンツを更新できるシステムまで作ってあるのが特長と言えます。
更新が簡単なシステムを導入することで、常連客でも毎回違ったプレゼンを楽しむことができ、不満が満足へと変わっていく可能性を秘めています。
ロボカタミ
yukanmさんが開発した「ロボカタミ」は、家族が亡くなった時に、後からその人が残した記録を知ることができるというアプリです。
例えば、家事を担当していたお母さんが亡くなってしまった時、残された家族は悲しい想いをする上に、日々の家事がわからず困惑してしまうでしょう。そんな時に、心のケアはできないけど、日々の生活をケアしてあげたいと考えられて開発されたそうです。
見た目は「形見を残す」ためのアプリとは思えません。表向きは「ロボ家事」というアプリで存在し、Pepperが日々の暮らしの中で、「ゴミはいつ出すか」「洗濯は週に何回やっているか」といった情報を、家事をしている人に聞いていきます。スマート家電と連携をすることで、「もしかしていつもこの時間に洗濯しているの?」というように、Pepper側から質問を投げかけていくこともできます。
そして、後日子供がPepperに「ゴミってどうやって出したらいいの」と尋ねると、それをお母さんの代わりにPepperが教えてくれるというものです。
開発をしたyukanmさんが特にこだわったのは、中でもインプットした情報のアウトプットの口調。例えば、Pepperがお母さんに「もしかして、水曜9時頃にゴミ出ししてる?」と尋ね、お母さんが「してるよ。朝10時までに、家の前に出すんだよ。」と回答すると、後日子供がPepperに「ゴミ出し、どうしたらいい?」と尋ねた際に「「朝10時までに、家の前に出すんだよ。』だって」と答えます。技術的には「朝10時までに家の前に出します」と答えさせることもできるかもしれません。しかし、yukanmさんは「口調を再現して伝える」ということにこだわったと言います。
ロボカタミには、IBM Watson APIの中から「Personality Insight」「Natural Language Classfier」など、計4つのAPIが使用されています。
技術的にも高度な技術が使われていますが、コンセプト含め審査員の目にどう映るのかにも注目したいと思います。
さて、今回の「Pepper App Challenge 2017」の決勝進出したアプリを10作品全てご紹介させて頂きました。
感想などは極力省いて紹介しましたが、あれは面白いなぁとか、あれは企業が使いたがりそうだなぁとか、色々と感じるところもありました。Pepper App Challengeの作品を決勝審査前にここまでじっくり見たのは初めてなので、審査員の評価を楽しみに聞いてみたいと思います。
とはいえ、ロボスタでは、「Pepper App Challenge 2017」の速報を行うので、そんな悠長ことは言ってられないかもしれません。
明日朝9時半から始まる決勝審査の模様もお楽しみに〜!